【水俣芦北】池澤千恵子・菊池倫理法人会会長がMS講話
テーマ:「子女名優~信じるとは~」
令和6年3月9日(土)の第1352回経営者モーニングセミナー(MS)では、菊池倫理法人会 池澤千恵子・会長((医)いけざわこどもクリニック看護師長)が「子女名優~信じるとは~」をテーマに講話を行いました。最近あった倫理体験を家族ドラマのように感動的に話していただき、涙をためながら聞かせていただきました。以下は、講話の抜粋です。
・主人が病院の院長をしており、私は同じ病院で看護師長をしている。開業して22年になる。3人の子供がいて、開業した時、長男は8歳でした。1億6千万円のローンを組んで開業したので、早く返済したかった。夜の電話も受け、7年で返済することができた。
・仕事が非常に忙しかったので、子供のお遊戯会や運動会にも行けない時があり、「仕事第一、子育てはその次」の状態で育ててきた。長男は大学を卒業後、会社に勤めて働いたが、ちょうどコロナで完全なリモートになった。家にいて着替えなくなって、私には遊んでいるように見えてきた。
・11月になって、会社から三重県に転勤となったが、息子は「行きたくない」と言った。行くように説得したが、息子は1月には退職しずっと家にいた。求職活動をしていると言っていたが決まらないので、私はこのまま引きこもりになるのではないかと心配になった。
・モーニングセミナーに誘ったら「わかりました」と言って参加した。息子が会場に来たら、会員のみんながとても歓迎してくれたので息子も喜んでいた。私と同じように5時に行こうと誘ったら、同じく一緒に行くようになった。すると息子は青年委員にも誘われ、毎週参加するようになった。
・ある日の講話でA法人レクチャラーが、自分のお嬢様のお話をされた。娘は、だまされているのではないかと疑っていたが、倫理指導を受けたら、『あなたは娘さんの可能性に蓋(ふた)をしていますね。夫婦で手を取り合って娘を信じなさい』と言われた。それ以来、夫婦で反省して、すべて許そうと心を改めた。それから時がたってお嬢様から「お父さんの声が聞きたい」と電話があり、昔だったら「どこにいるの?何をしているの?」と問いただしていたと思うが、「そう、ありがとう。体に気をつけてな」とだけ答えた、という。そのA氏のお話を聞いてズキッときた。
・その夜、息子に今までの講話で一番印象に残っている人の講話はあるかと聞いたら、「A氏の講話」と息子が言った。泣きたくなった。翌日A氏に会いに行った。いろいろ話すと「あなたみたいな親不孝な人は見たことがない。親孝行娘と思ったら大間違い。息子のことを夫婦で信じなさい」と言われた。
・後日玉名倫理法人会でまたA氏の講話があったので、主人と息子と私の三人で行った。講話の後シェア会で息子が感想を話した。終わった瞬間、A氏は私のところにきて「あなたは何を心配しているの。立派な息子さんじゃないの。信じなさいよ」と叱られた。
・それから息子を応援しようと決めて気づいた。息子は私に「遅かったね」とも言わないし、「これ美味しくない」と言ったこともない。人を傷つけない子供だと思った。
・A氏の講話を聴いて倫理指導を受けた翌月、息子が「就職がきまりました。名古屋です」と言ってきた。「なんで名古屋なの?行かないで!」と私。三重県には「行け」と言っていたのに、名古屋には「行かないで!」と言う私に対して息子は「家を出て修業をした方がいいと思うから」と言った。
・引っ越しの荷物を車に積み込んで「行ってきます、お母さん」そう言って私に抱き着いてきた。子供のころから1回も泣いたことはなかった。息子は初めて泣いた。「ごめんね、こんな家に生まれたくなかったでしょ。こんなお母さんでごめんね」と言う私に息子は首を振った。そこに主人が走ってきたら、息子は「お父さん!」と言って、抱き着いて初めて泣いた。息子は親から離れてから、そこで建物に一礼した。倫理のモーニングセミナーに通って数か月、息子は立派に成長していた。
・「夫婦が仲良くしていると、子供が健やかに育つ」と倫理法人会では言う。主人は、一生懸命私と仲良くしようとする。一緒にご飯を食べていたら、必ず写真を撮って子供たちに送る。すると子供たちから電話がかかってくる。『万人幸福の栞』の「子女名優」「夫婦対鏡」の章を読むと、本当にその通りだと思う。子供を信じること、夫婦心を合わせて信じることの倫理体験をさせていただいた。
・何があっても、うちの子供はたくましく生きていけると思う。人を傷つけない優しい息子だから、いつか誰かを幸せにすることもできると思うようになった。ご清聴ありがとうございました。
この講話文は、講話者の承諾をいただいて掲載しています。