熊本県倫理法人会

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2月26

【水俣芦北】平井郁惠・人吉球磨副地区長がMS講話

テーマ:「『暗から光』~継続の力」

令和6224日(土)の第1350回経営者モーニングセミナー(MS)では、熊本県倫理法人会 平井郁惠・人吉球磨副地区長(()平井整形外科リハビリテーションクリニック副理事長)が「『暗から光』~継続の力」をテーマに講話を行いました。病院を開業して5年後に訪れた夫の病気を皮切りに、次々に訪れた苦難に負けないで、必死に生きて光を見出された平井氏の人生体験にとても感銘を受けました。以下は、その講話の抜粋です。

・私は195410月、水俣市に生まれた。大学時代に今の夫に出会い、二十歳で結婚して大学は中退した。22歳、23歳、24歳のときにそれぞれ男の子を授かり、私が25歳、夫が35歳のとき、素晴らしい自然環境のある人吉市で整形外科の病院を開業した。病院は順調に経営していたが、5年経過して夫が40歳になってから病気が発覚した。

・ある日、夫の顔色がすぐれないことに気づき、表情が暗くなり、外来にも出ない、人にも会いたくないという状況になった。体重が減り、なかなか改善しないので、友人の医師に調べてもらったら心の問題、鬱(うつ)ではないかと言われた。

・大学の心療内科に入院したが、原因がわからない状態が続いた。私は、子供たちを両親に預けて、人吉市内から熊本市内に通い、色々な公立病院を回って医師の派遣をお願いした。病院を継続するために必死に歩いた。

・夫のノートには、「自分はダメだ。この世に必要のないものだ。」と書かれていた。やせ衰えて、生気がなくなってきたので、どうなるのだろうと思った。「死にたい」という言葉もノートに残されていた。

・病院は、職員も減り患者さんも減少していたが、私は「夫の志があるので、ここで絶対にあきらめられない」と思った。夫は3年後に人吉に戻って来た。夫はただ座っているだけで良いと思えて、改めて夫の存在価値を知った。

・そうした中で、私の胃がんが発覚した。開腹手術をして47針ぬったが、自分の病気は絶対に治してやると覚悟した。子供は小学生高学年だったので、まだ死ねないと思った。

・夫と自分自身の病、この病気を通して何を知るべきか、自分の生命と向き合うようになった。生命を何に使うか。生きるとは何か。真言宗のお坊さんに会い、一日一日を精いっぱい生きようと修行も行った。10年くらい難行苦行も行ったが、人吉市倫理法人会の方から「難行苦行しなくても近くに学ぶところがあるよ」とMSを紹介された。

・ある時から「倫理はすごい」というスイッチがオンになった。経営者モーニングセミナーで講話者の一言一句を聞き、成長された事、事業を成功された体験など涙が出るほどのすごい内容だった。毎週MSに参加するのが楽しみになった。

・倫理指導を受けた時、「主人に心を合わせているか」と聞かれた。正直、心を合わせるという意味がわからなかった。純粋倫理は、すべての行いに心を乗せていくという。「心と思いが一致してこそ、『福』と『徳』が一致するという」福徳一致の学びをさせていただくものである。その頃の私には、ただ夫が早く元気になってほしいという気持ち、子供たちのため自分のためという思いであり、夫自身の苦しい思いは察していなかったかもしれない。

・「もっと主人に甘えて下さい」「自分が頑張ろうではなく、もっと主人に頼みごとをしてください」と指導を受けてから、私は犬がほしかったので、「一緒に犬を買いに行ってくれる?」と聞いたら、「良かたい」と主人が言ってくれた。それから犬を飼って犬と一緒に散歩したり、買い物もするようになった。

・するとご飯の支度や野菜を切ることにも思いを込めてできるようになった。すべてが生命に繋がっている。心を乗せるという実践をしていったら、夫の表情がみるみる変わっていった。本当に不思議でした。すぐに実証された。倫理は、「理屈なしにやってみてください」と言われる。それから夫に笑顔が戻ってきた。

・私は、毎週MSに参加してお役をいただいて、さまざまな学びをさせていただいてきたが、組織の在り方や自分の在り方が組織を変えていくことなど多くの事を学ばせていただいた。ご清聴ありがとうございました。この講話文は、講話者の承諾をいただいて掲載しています。