【水俣芦北】寺﨑晃嘉・法人SVがMS講話
テーマ:「倫理経営の力」
令和5年9月16日(土)のモーニングセミナー(MS)では、法人局 寺﨑晃嘉・法人スーパーバイザー((株)創研 代表取締役会長)が「倫理経営の力」をテーマに講話を行いました。以下はその講話の抜粋です。
・私はサラリーマンだった。志を高く持って今の会社を創業したのではなく、前の会社が嫌になったので起業した。サラリーマンの時の営業先から「会社を廃業するから工場を貸してあげる」と言われて始めた。
・倫理法人会に入ったきっかけは「職場の教養」がほしくて入会した。前の会社で昭和61年から使っていた。退職してからは見ていなかった。ある日突然知り合いの方からプレゼントされた。朝礼で使いだしたら朝礼の質が一気に上がった。
・ところが数か月後、手に入らなくなった。その知人が倫理法人会を退会されたため、私から倫理法人会事務局に電話して入会した。するとMSの案内が来るようになった。朝6時から勉強していることに衝撃を受けた。行きたいとは思ったが、寝ている時間なので行かなかった。
・当時私は、京セラの稲盛和夫氏が主宰する「盛和塾」に入っており、稲盛塾長が「倫理法人会というのは、日本では数少ない貴重な団体で、人としてどう生きるかを教えてくれるいい会だ」と言われたのを聞いてから、本気で朝起きしてMSに通ってみた。1年間続けたらすばらしい学びができた。すると鳥栖市倫理法人会の会長を頼まれた。
・いやいやながら会長の役職をしていたころ、東北で東日本大震災が起こった。当時、多くの日本人が手弁当で被災者を助けに行っていた。あの姿を見た時、「おれは何をやっているのか!こんなにいい会を預かっていて、どうして本気でやらないのか」と、自分の情けなさがこみあげてきた。自分の仕事に心が伴っていなかったことに気づき、見返りを期待しないと決心した。
・心持ちが変わると結果が変わることを体験した。明朗な心で私利私欲をなくし、MSを聞くだけで有難いという気持ちで運営できるようになった。普及に行ったら、それまで断っていた人が入会するようになってきた。受け継いだ時は、会員が35社だったが、半年で35社増えたのでびっくりした。
・倫理は心が先であり、「心の経営」ともいう。いいことをやっていても、自分が目立ちたいとか、他人から良く思われたいという動機だったら、他人は見透かしてしまう。
・実は会社でも、以前は退職する人がいたが、この12年間社員がやめていない。社員は給料も大切であるが、心を先行させて明るく経営していくことが一番大切である。社長が変われば社員が変わる。社員が変われば会社が変わる。社長が一番先である。
・しかし、家庭で妻はなんでこんなに不満を言うのか? 口にはしないが、「専業主婦で俺が食わしているのに…」と思っていた。倫理を学んでからは、「さん付け」で呼んだり、きちんと挨拶してそれなりの旦那と思っていたが、思いあがっていることに気づいた。
・妻の実家に行ったとき、妻の写真がたくさん出てきて、その中の1枚が妻の小学校低学年の頃の写真だった。両親を挟んで真ん中に妻がいて、妻が満面の笑みを浮かべていた。俺はこれほどの満面の笑みを見たことがないというくらい嬉しそうな顔をしていた。それを見た瞬間、私は涙がこぼれて仕方がなかった。
・両親の願いは、子供が本当の幸せになること、それ一つだと思う。自分は、妻の両親の願いに応えていただろうかという思いがわいてきた。仕事にかこつけて家事は一切しない、何もしないで申し訳なかったという思いがむくむくとわいてきた。妻を本気で幸せにしないといけないという思いで自宅に帰ってきた。
・その時に決めたことは、妻と心を寄り添わせて妻の話を聞くこと。妻の幸せ、喜びとは何か自分なりに考えて行動すること。2~3か月経過した時に、妻から「私はあなたと結婚して良かったです」と言われ、本当にびっくりした。
・結婚して30数年間、文句を言われたことはあったが、ほめられたことはない。私と結婚して妻は後悔しているのではないかという不安が払しょくされて良かった。新たな一歩を踏み出せたことが嬉しい。生きる力を妻からいただいた気がする。他人を幸せにする力が倫理にはあり、それが倫理の真骨頂だと思う。ご清聴ありがとうございました。
この講話文は、講話者の承諾をいただいて掲載しています。