【水俣芦北】黒木昌明・熊本東 副事務長がMS講話
熊本県 水俣芦北倫理法人会モーニングセミナー
令和5年5月31日のモーニングセミナー(MS)では、熊本東倫理法人会 黒木昌明・副事務長((医)社団光進会 光進クリニック事務長)が「父母の恩に報いる…反始慎終」をテーマに講話を行いました。
・1955年8月、球磨郡多良木町生まれ。倫理法人会との出会いは、ヨシマツ薬品(株)で働いていたときにMSに初めて参加した。実体験の発表の場であり、いい会だと思って参加した。メモしながら聞いて、何度も読み返した。一番心に響いたことは、「即実践」、「気が付いたらすぐ実践」ということ。福岡に転勤してから、ただ聞いて帰るだけでは物足りない気持ちになり、輪読に参加しようと決意して、思い切って「万人幸福の栞」の輪読に参加した。もの凄い達成感があり、それから行くのが楽しみになって参加するようになった。
・その後平成31年1月、クリニックの事務長という立場になり、個人で熊本東倫理法人会のMSに参加するようになり、令和4年5月に正式に入会した。12月から同会の運営委員を拝命して今日に至っている。
・一昨年、私の父がなくなり、いろいろ反省することがあった。通夜の前日、横たわっている父の前で父に話しかけていた。学校に行く日の朝から父親がワナにかかったイノシシを捕獲しに私を連れて行ってくれた。捌(さば)いて食べたことなどを思い出した。
・大学時代に学費や生活費などの経費も大変だったと思う。何とか4年で卒業した。当時、歌手・さだまさしの「案山子(かかし)」という歌を聞いて、自分の親の気持ちと重ね合わせた。「元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか 寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る 手紙が無理なら 電話でもいい 『金頼む』の一言でもいい」。当時から親を大事にしないといけないと思った。
・恩とは、①知恩、②感恩、③報恩があるが、亡くなった後にはもう報いることができない。しかし、「恩送り」という言葉がある。自分が嬉しかったこと、よくやったことなどの体験を後輩のために語り、世の中のために繋ぐこと。今は、「恩送り」ということで、いかに未来に繋いでいくかを考えている。
・私の両親は、戦後、借金をして林業を行っていたが、外国の材木が輸入されるようになってから木の値段が安くなって木を売るに売れず、借金の返済が難しくなっていた。農林漁業金融公庫から多額の借金が残っており大きな不安となっていた。返済の保証人にもなり心配していたが、社員持ち株を売却し、貯金していた約500万円を支払った。その後請求が来なくなり、10年以上経過したので司法書士に確認をお願いしたところ、返済は終了していたということだった。そのことを親に話したら、とても喜んでくれた。
・父母は、球磨郡多良木町にていろいろな方のお世話になっていた。両親のことばかりでなく、両親を支えて下さった方たちの恩があることがわかった。両親の親・祖父母、先祖に遡るとたくさんの人たちの血のつながりがあって、私達は存在している。恩送りをすることによりこれからも永遠につながるように、そこは大切にしないといけない。
・現在、1週間に一度は朝から母親に電話をしている。ボイスレコーダーに録音しながらいろいろ聞いてあげている。母は、恩返しを考えるならば、皆が健康であることが一番の恩返しだと言ってくれた。それから、妻のために毎朝早く起きて卵焼きを作る実践を行っている。
・MSに多くの方に来てもらって、積極的に万人幸福の栞の輪読を行い、実際の体験談を発表し合い、みんなで盛り上げていくと、結果的に皆が幸せになり日本のためになると思う。ご清聴ありがとうございました。この講話文は講話者の承諾をいただいて掲載しています。