【目を背けていた過去が変わる】熊本市西経営者モーニングセミナー
講話者:一般社団法人倫理研究所 上田康蔵 法人レクチャラー
2023年5月17日(水)熊本市西倫理法人会の第792回経営者モーニングセミナーは「目を背けていた過去が変わる」をテーマに、(一社)倫理法人会 上田康蔵 法人レクチャラーにご講話いただきました。
ご講話のあと、モーニングセミナー終了後の感想シェア会では、いつにも増してご参加の皆さまの感想の温度が非常に高く、皆さまが具体的に感想や気づきを自身に置き換えてお話されるため、全員の感想の時間がいつもより3割増に長くなってしまうような、素晴らしいモーニングセミナーと感想シェア会になりました。
ご参加の皆さま、本日もありがとうございました。
以下、ご講話の要約です。
【母の死と自責の念】
2014年1月に母が亡くなり、自分のせいではないかと自身を責め続けていた。
ある出来事が頭を離れず、目を背けていた。
「他人と過去は変えられない」という考えで生きてきた。
「人だのみにしない」と言われて育ってきた。
【炭鉱の町に生まれ】
筑豊田川の炭鉱の町川崎に生まれ、大学を出て東京で5年間のサラリーマン生活。
昭和40年代、閉山後に造船所やボーリング場などを経営する父の会社へ戻った5年後に父が急逝、残ったのは90億の借金。
事業所を一つずつ売却して少しずつ返済する20年。
残って欲しい社員からも辞表、そして誰もいなくなった。
【母の介護とあの時の出来事】
そんな中、母が脳内出血で倒れ、介護生活が始まる。
ある日、くたくたに疲れて帰ると、母のベッドサイドに灯りが。
荒っぽい言葉と動作で母の世話をする。心の余裕がない。
母は髪をかきあげながら「こうちゃんどうね?」
「そぎゃんことはよか、俺がちゃんとする」
「あたしがあんたの代わりができたら」
自分の無能さを非難されたように感じて大声で怒鳴った。
「俺の人生たい!!黙っとけ」
天井の一点を見つめて動けない母。
怒鳴ってしまったこと…
口に出してしまった言葉…
過去は変えられない。
その後、2度目の脳内出血で母は失語となり、そして誤嚥性肺炎で亡くなった。
母が死んだのは自分のせい。あの時怒鳴ったから。しかし誰にも言えない。
【倫理法人会との出会い】
福岡県中洲川端倫理法人会の浜本昭義会長(当時)からの電話。
倫理法人会からのお誘い。お断りした。
それでも毎週のようにやって来られる。
4回目の訪問時、浜本会長のお母様が余命を宣告された翌日、倫理法人会で、万人幸福の栞13条(栞92ページ)「親が病気になるのは子が不孝だから」の項を読んで涙がボロボロこぼれたというお話を聴いて、即入会を決断。
倫理では「実践なき倫理は雑念に如かず」というが、どんな実践をしたら良いかと思案。浜本会長から、「倫理指導を受けてみたら」と勧められる。
【倫理指導】
倫理指導ではまず「お墓参りしてますか?」と尋ねられた。
「神式でお祀りしているためお墓参りにはあまり行かない」と答えると、
「お墓参りに行って欲しい、お母さんと語り合ってください」と。
「お墓はご先祖や家族と語り合う場所」であると。
経営と何の関係があるかと思いながらもお墓参りへ。
1週間に一度のお墓参りの実践を開始するが、何も聞こえない。
聞こえないながらも、ひたすらお墓を磨いていると…
ある時突然、母の背中を擦った日のことをを思い出した。
子どもの頃、突然夜中に泣き出した自分を病院に連れて行き、腸重積と言われるも手術できず一か八かで浣腸を試みた時、「私の命と引き換えにこの子の命を救ってくださいと祈った」という話を母がしてくれたことを思い出した。
母にひどいことを言った。母の墓前で泣きながらお詫びをして、お礼を言った。
なぜお詫びと感謝ができたのか。それは倫理指導を受けたから。
なぜ倫理指導を受けたのか。それは浜本会長が何度も来てくれたから。
なぜ浜本会長は何度も来てくれたのか。母とのあの晩のことがあったから。
点と線がつながった。
倫理はすごい。倫理実践はすごい。
倫理実践はすごいが、一つ一つの実践は小さい。
小さな実践の積み重ねが大きく人生を変えていく。
以上となります。
上田康蔵法人レクチャラー、素晴らしい学びの時間をありがとうございました。
熊本市西倫理法人会 副専任幹事 石原健