熊本県倫理法人会

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6月09

【水俣芦北】川内美喜男・法人SVが講話「つながり」

水俣芦北倫理法人会 経営者モーニングセミナー

子供から「つながり」について深く学ぶ

6月8日(水)のモーニングセミナーは、法人局 川内美喜男・法人スーパーバイザー((株)ティー・シー・エス 代表取締役)が講話を行いました。以下は講話の抜粋です。

私は介護の仕事をしています。熊本県球磨郡山江村出身で、九州に4か所営業所があり、毎年6月、12月に賞与を手渡すために九州に来ています。

万人幸福の栞第13条に、「反始慎終」(元を忘れず、末を乱さず)がありますが、「つながり」というテーマでお話します。子供は男が4人います。3番目の子が、4年生の時に箱根駅伝を走り、子供から「つながり」について深く学ぶことがあり、箱根駅伝にちなんで話を進めます。

彼は、高校も推薦で引っ張られ、大学は特待生で入学しました。1415歳の時から、「自分は箱根で燃え尽きる」と言っていました。3年生の時出る予定で、新聞にも名前が載りましたが、直前に入れ替えがあり走ることができませんでした。

僕は、彼が4年生の時には走らせてあげたいと思っていました。20107月、神奈川県倫理法人会の役員の方4人が来られて、県の幹事長を引き受けるように3時間半説得されました。しぶしぶ引き受けましたが、ずっとやらされ感があり、そのまま1231日の大晦日を迎えました。その日は、毎年職員さんとともに1年を振り返り感謝する日にしており、僕は、それまでのやらされ感を反省して「やるしかない。道としてやる」ということを心に落とし込み、死んだ父と母に対して「なんとか3男を走らせてほしい」とお願いしました。すると、直後に3男から13日に復路を走ることになった、と連絡が届いたのです。

駅伝のあと大声で泣いた息子のこころ

その日は大雪でしたが、朝から除雪車が走り道路が整備されて、予定通り駅伝は続行されました。私の多くの知人・友人が応援してくれました。駅伝が終ったあと仲間と祝杯をあげていたら、3男が夜遅く帰ってきました。嬉しくてハグしてあげたいと思いましたが、僕をすり抜けて奥の部屋で、大声で泣いていました。

あとで聞いたら、3男は「僕は先輩からシード権をもらって走ることができた。しかし、後輩にシード権を渡すことができなかった。とても酒なんか飲めない悔し涙だった」、と言いました。このとき、襷(たすき)をつないでいくことの重さを学ばせていただきました。

親や祖先が徳積みをしてくれたおかげで、私が食べ続けている

皆さんお一人お一人が、誰かから見えない襷をかけていただいていると思います。それは、いただいたものではなく、借りているものです。その見えない襷を誰に渡すのか、その襷を途切れさせてはならないと思います。駅伝では、前の走者から手渡しで受け取れなかった選手が、白い襷で走ることがあります。できれば白襷ではなく、同じ色の襷を次の走者に渡していくべきです。

私は、人生の中で白襷を避けるためには、徳積みをすることだと思っています。親や祖先が徳積みをしてくれたおかげで、私が食べ続けている。私も徳積みをしなければ、子供、子孫に対して申し訳ないと思います。徳積みは、①他人が嫌がることはやらない、②嬉しいことは広めていくことです。つまり、「他人の足を引っ張らない!」「他人の手を引っ張る!」ことです。

襷という字には、手が入っています。要は手渡しです。僕は、手が大事だと思います。握手、手配する、手を添えることが大事ではないか。人と人とのつながりを作るのに、手はとても大切です。自分が受け取った色で襷を次の人に手渡し出来たら素晴らしいと思います。ご清聴ありがとうございました。この講話文は、講話者のご承諾をいただいて掲載しています。