熊本県倫理法人会

096-288-9398

お知らせINFORMATION

10月17

【水俣芦北】宇野哲朗・熊本市南倫理法人会幹事がMS講話

テーマ:「仕事と家庭と倫理」

令和71015日(水)の経営者モーニングセミナー(MS)では、熊本市南倫理法人会の宇野哲朗・幹事(㈱保険ひとすじ 専務取締役)が、「仕事と家庭と倫理」をテーマに講話を行いました。若くて謙遜な語り口でしたが、貴重な倫理体験・事業体験を聞いてとても感動しました。以下は講話の抜粋です。

・昭和60年12月13日、熊本市生まれ熊本育ち、39歳。祖祖父が大手保険会社社員として入社してからスタートし、祖母、父に引き継がれ98年の歴史がある代理店の専務。大学卒業と同時に入社。法人化して1年目で、父と母と4人の営業マンが働いていた。

・当時県外に就職しようと軽く考えていたが、母に「あなたは長男である。祖祖父、祖母、父と引き継いでいる保険業という家業をあなたが継がなければ、ここで終わる」と説得されて、「後から出戻りするよりは、最初から保険を勉強して継ぎます」と父に言ったら、父が泣きながら喜んでくれた。

・卒業して僕が働き始めたら、母がすぐに離婚した。母がいなくなり父とどうやっていくのか不安になった。父には威圧感を感じて会社に行きたくなかった。自宅兼会社だったので逃れられない。病気したり骨折したりして大変な状態だった。

・祖母を見に行ったある日、祖母が「無理をしないように。この仕事はいつでもやめていいからね」と言った。僕は祖母を心配して行ったのに、祖母は私のことを心配してくれていた。その時、心の曇りがすっと晴れたような体験をした。そのおかげで「ふん切り」がついて、苦手な父と向き合って仕事を続けることができた。祖母のお陰と感謝している。

・その後平成28年4月、熊本地震が発生した。約10年前のことだが、父と二人三脚で仕事をして、車の中で正月を父と過ごすこともあった。

・そうした中で父が突然、熊本市南倫理法人会のMSに行くことになった。お客様から誘われて行きはじめ、毎週行くようになった。それから父は墓参りをするようになり、朝から朝礼で「職場の教養」を読ませるようになった。仕事人間の父がどうしたのか? とだんだんわからなくなった。

・父は私を誘うことはしないで、「来たかったら来い」と言われたので、一度だけ行こうと思ってMSに行ったら、僕もずるずるとのめり込んでいった。当時の私は、朝5時に起きてMSに行くのは到底考えられないほど、朝起きが苦手だった。

・9月に青年委員を拝命し、3年続いた。その後4年事務長を拝命し、後継者倫理塾に参加することになった。10か月間、『万人幸福の栞』を深掘りして学んだり、富士研修に参加しながら、実践報告などを体験した。

・倫理塾の中で特に心に響いたことは、「物は生きている」ということ。車やパソコンはただの道具ではないから、それらの物に名前をつけて声をかけるように実践した。物に愛着がわいてくるのを学んだ。物を大切にしないと、仕事も家庭も倫理活動もうまくいかないことを実感した。

・また、「人の喜びが、まことのわが喜びである。世と共に喜び、人の悲しみをわが悲しみとする」と『万人幸福の栞』第16条にあるが、会社の「お客様と共に学び、お客様と共に栄える」という経営理念と似ているので、とても心に響いている。栞の中には、切り抜いた文字で気づくことがたくさんあると思っている。

・ところが、後継者倫理塾を卒業してから苦難があった。3年前までは20人いた社員が今では14人。昨年末にバリバリの営業マンが退職した。それまでのお客様をすべて持っていった。実績がごっそり減ることになり、会社存亡の危機になった。

・父も社員も彼に対する責め心満載で絶望していたが、僕はやめる人を責めるのではなく、今まで勤めてくれてありがとうという気持ちになった。その退職する人がいなくなることで職場内で結束力が生まれた。それからみんなで努力した結果、3月末までに数値目標を達成することができた。倫理を学んでいたからこそ達成できたと思う。ご清聴ありがとうございました。