熊本県倫理法人会

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11月11

【水俣芦北】城間栄市・法人レクチャラーが講話「母が蒔いた種」

11月9日のモーニングセミナーでは、法人レクチャラー 沖縄県倫理法人会 城間栄市・那覇浦添地区長(城間びんがた工房 16代)が、「母の蒔いた種」をテーマに講話を行いました。以下は講話の抜粋です。

・母のことを話す前に妻について話します。妻は鹿児島県宮之城出身。7人兄妹の長女です。工房に来てからもすぐにイニシアチブを握っていました。30歳の時に結婚して子供が4人いて45歳になりました。私が、精神的に追い詰められてうつ病のようになった時も元気な時も、妻は同じようにかかわってくれる人です。そういう妻の大らかさに支えられてきました。

・母は、家庭のことや会社のことを切り盛りしてきた人です。父は仕事しかしない徹底した職人なので、今私がやっていることは母親のおかげであり恩があります。

・母は以前から家庭倫理の会に通っていて、僕が中学生の時に「ディズニーランドに行くよ」と言って、静岡県の富士研に連れて行きました。

・僕が30歳になって経営を引き継がないといけないと思っていた頃、母に経営について質問しました。当時25人の従業員がいましたが、「誰一人辞めさせてはいけないよ。沖縄は噂がすぐに広がるから、悪い噂が広がらないようにしないといけない。」と言われました。それが、母親の唯一のテーマだったので、自分なりに考えてみました。

・私は、倫理法人会に入って運営側で倫理を学んでいたので、会員の皆さんが辞めないように心がけていました。会社では、個性のある社員さんを辞めさせないようにするために苦しんだことがありますが、倫理で学んだ事が役に立ちました。

・私は職人としては10代から仕事をしていたのである程度わかっていました。経営者としては10年先、20年先を考えなければならない。わからないことに対して決定しなければならない立場です。伝統を守るだけでなく、新しさも求められている。従業員一人一人がスペシャルな技術者ばかりなので、一人一人の声を聞くために春と秋個人面談をしています。全員がばらばらに出勤してそれぞれ仕事をしていましたが、午前9時に全員が集まって朝礼をするようになり、少しずつまとまるようになってきました。

・「誰一人取りこぼすなよ」と母に言われたことをずっと考えていたことが成長につながりました。大病や寿退社などで3人を失いましたが、苦難は成長のタイミングだと思います。人を頼らない、つまりこの人がいなくなったら仕事が回らないということをなくすという仕事の仕方に取り組みました。

・私は、倫理法人会の会長や地区長を経験して逃げられない立場にいたので成長してきました。苦難福門と言われます。社員が辞めたことも、自分が成長するために与えられたことであり、向き合っていけば成長するものです。振り返れば、全ての経験が自分を成長させてくれたと思います。

・経営の種、倫理の種を母親が残してくれました。父親は、琉球だけの工芸を日本の着物として定着するようにチャレンジしました。私も自分が何かできることにチャレンジしようと思います。ご清聴ありがとうございました。