【 夫婦愛和がもたらす経営改善 】熊本市南 経営者モーニングセミナー
講話者:熊本県倫理法人会 副幹事長 那須一郎 法人レクチャラー
テーマ:「今、そこにある苦難」
2022年6月21日(火)、第464回 経営者モーニングセミナーが開催されました。
入会はしたけど傍観者だった
熊本市南には久しぶりに参加いたします。今まで振り返って6つの苦難がありましたが、今日はその中でも最近起きた苦難についてお話いたします。球磨で産まれて高校は九州学院。42歳まで柔道をやっていました。仕事は瓦業。瓦業は体力がいる。柔道をやっていたので体力には自信があったが、経営者は人とのコミュニケーションとか交渉とか、体力以外の能力がとても重要。結婚した当時は奥さんのことは大好きだったが、子どもができると奥さんは強くなり、喧嘩ばっかりで負のスパイラルに陥っていた。転機は私が弊社3代目の社長に就任した頃の話。当時は仕事は充実していたが、相変わらず奥さんとの仲は悪く、離婚届けをつきつけられた時はさすがに驚いた。当時、倫理法人会は球磨には無く、今から立ち上げるという時期。準球磨倫理法人会の時にお誘いを受けて、運営を手伝ってということで幹事になった。朝6時に参加して、経営者の話、家庭不和の話など色々いい話が聞けるが、1週間もすると完全に忘れている。それは自分が傍観者だったから。後ろの席で背もたれにかかって話を聞いていた。
会長が一番大変だった
そんな私に富士研(富士高原研修所での企業倫理セミナー)のお誘いが。「久保山さんの息子も行くけん一緒に行かんね」とのことだったので、私も参加した。私はその時、初めて富士山を実際に見た。研修の中で私が最も影響を受けた授業が、中庭まで裸足で行って、角が鋭い石の上で正座する授業。本当に痛かった。講師が「自分のことを一番大事だと思っている人に対して語ってください」と言うので考えた。親父かな?母親かな?ふっと出てきたのは祖母。祖母が私に語りかける。「一郎、元気や?頑張れよ」と言っている。私は涙をボロボロ流しながら「頑張るよ」と言っていた。祖母がでてきたのはそれっきりで何とも不思議な体験をした。この体験でより倫理に深く興味を持つことになった。研修が終わり単会会長に頑張りますと伝えた。するとしばらくして当時の会長から私に会長の打診が来た。私は研修を受けてテンションが高くなっていたので、二つ返事で「やります!」と伝えた。今考えるとバカだったと思う(笑)。6つの苦難のうち、一つは会長を受けたこと、当時は会長がこんな大変なことだとは思わなかった。当時の私は「いいことをしている会だから、皆で力を合わせれば大丈夫だ」と軽く考えていた。そしたら、役員が積極的に活動してくれない。私が会長の時期に85社から45社まで減らした。周りからもダメな会長だと思われていたと思うし、実際に言われていた。今のように熊本県倫理法人会がフォローに入ることもなく、地区会があってもその後音沙汰無し、最後は泣きべそをかぶっていたが、役員さんととことん話して自分はここが底辺だと感じ、これがきっかけで吹っ切れた。吹っ切れたことでやりたいようにやり始めた。まずやったことは、講話者の感想を書いて、モーニングセミナーが終わったその日に会員さんにFAXすることから始めた。
辞めた従業員が実践によって戻ってきた
仕事での苦難をお話します。7人いた従業員が次々にやめていく。腰が痛くなったので辞めますとか、年齢的に体力がきついとか、あいつが気に入らんけん辞めますとか理由は様々。最終的には2人になってしまった。最後の一人は屋根から落ちて、ドクターヘリで搬送。警察から「あの人はお酒を飲んで仕事をしていましたよ」と言われ驚いた。自分の心の反映だと思い、当時宮内研究員に倫理指導をお願いした。奥さんとの関係はどうですか?良いと思います、お父様との関係はどうですか?良いと思います、奥様から何か言われていませんか?片付けろと言われています。私は片付けが苦手。机の上には書類が溜まっている。3日かけて整理した。そしたら1週間後、1度辞めた社員が状況が変わったから戻ってきたいと言ってくれた。加えて、奥さんが「〇〇君は戻って来ないかな」と言い電話をかけてくれた。すると、帰ってくることになった。また、ドクターヘリで運ばれた彼がまたほかの人に電話すると戻ってくるとのこと。2ヵ月で元の人数に戻った。私は何もしていないが、倫理指導で言われた、妻から言われていること、つまり片付けの実践を行ったたらすぐに人が集まった。人材確保はとても難しい経営課題なので、今いる人を大切にしないといけない。今の部長は優秀で、営業から見積りから工事の割り振りまで全部できる。しかし、「社長、私はこのままでは終われないから何年後かに辞めて独立する」と既に公言されている。私は、彼にいてもらうだけでありがたいと思っている。私が社員に合わせることを心掛けている。たまに、会社の裏に連れて行って喧嘩したくもなるが、本音が出てくるということはいいことだと思う。経営者は器が大きくないといけないし、経営者の器が会社の規模になる。多少生意気でも頼もしいなと思うようになった。彼が独立するまでにまた優秀な人を見つけなければと思っている。熊本地震後はミニバブルで黒字続きだが、大変だった。倫理法人会に入会してからはずっと黒字。倫理法人会で学ばなかったら器は大きくなっていなかったと思う。
妻との関係が改善すると息子と繋がることができる
倫理法人会に入れば必ず良くなるとは言えない。会員さんで亡くなった人もいれば、倒産した人もいるし、自殺した人もいる。倫理は生活法則だから、学び続けることも大事だが、実践し続けることがとても重要。自分の実践で言うと、奥さんの話を聞く、トイレ掃除、仏壇参り、嫁の実家の墓掃除(宮村:その他もありますがメモが追いつきませんでした;;)。やっぱり夫婦仲は大事だと思う。富士研で妻に手紙を書いたが、その場で出せなかった。帰って渡そうと思っていたが結局出していない(笑)。妻の話を聞いたり、朝から洗濯物を干したり、肩もみをしていたりすると、妻が兄弟に自分のことを話すようになった。昔は言わなかった冗談も言うようになり、持ち上げられて落されたりするようになった(笑)。奥さんと仲良くなると、息子とつながるようになる。息子が東京から帰ってくることになった。表には出さないが、後継者が帰ってくることが一番嬉しい。離婚届けにサインしていたら、今この瞬間は無い。夫婦仲が良くなると、社員との揉め事も無い。社員さんからも私に対してクレームが入る。どう受け止めて対処するかが大事。人間は自己成長しながら免疫力が上がっていく。次期の役は熊本県倫理法人会の副会長。藤永幹事長が、「私は役を頼まれて断ったことがない」と言われたので、断ることができなかった(笑)。頼まれごとは試されごと。今期球磨は54社から77社になった。熊本市南は普及目標達成されました、おめでとうございます。私が会長の時は久保山さん、川崎さんと私の3人で普及して回り、青い行動旗が戻ってきた。当時の私の普及はハイテンションだったが、今は本当にお誘いする人のことを考えて行えるようになった。人のために時間を使うことは、その人の人生を生きることになる。倫理を通してその人が良くなる、会社が良くなる。言葉や姿勢、態度など、今までやってきたことが問われる。今期目標80社まで頑張ります。
会長挨拶、今日の栞の輪読の中に即行が書いてあった。そのお話をしたいのですが、今日もイベント目白押しなので、また今度話します(笑)とのこと。
会員スピーチは井山会員。会社の理念と合致している部分があり、この学びを仕事に活かしていきたいと抱負を語られました。
本日は、39名の方にご来場いただきました、ご来場誠にありがとうございます。
以上、熊本市南倫理法人会 広報委員 宮村陶太(有限会社CAM建築設計事務所)がお送りいたしました。
また来週、サイナラ~。