熊本県倫理法人会

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8月06

【水俣芦北】8/4モーニングセミナー開催

令和3/8/4(水)熊本県 水俣芦北倫理法人会 モーニングセミナー

8月4日、水俣芦北倫理法人会のモーニングセミナーでは、八代北倫理法人会 齊藤良二・事務長((有)コダナス代表取締役)が、「起業から27年を振り返って」をテーマに話されました。以下は、講話の要旨です。

私は、学歴がなかったので飲食業に就職しました。大阪、福岡、熊本、天草などでコックとして修業しました。しかし、どこも労働時間が長く休みが少なくて、「家を建てて子供を大学までやる」という夢をみることができませんでした。絶対に独立しようと決意して、23年準備しました。繁盛店があれば、なぜこの店は流行るのか調べていました。時には、アルバイトをしながら、どのように人を動かして管理しているのかを勉強しました。29歳のときに独立しました。

宇土店を開店するとき周りから反対されましたが、見通しの良い場所だったので気に入ってオープンしました。手作りカレーとオムライス、それとトッピングできるメニューで始めました。スタッフは、私と家内と友人の3人でした。オープンして30分で行列ができて、店の中はめちゃめちゃになり、お客様からはクレームの嵐でした。必死に改善に励みました。3日目に初めて「美味しかったよ!」というお客様があり、3人で涙をボロボロ流したのを覚えています。

1年間は無休で働き、睡眠時間は45時間が当たり前で、体重は10kg以上落ちました。時間が足りず、いつもダッシュして走りながら過ごしていました。スタッフのおかげで売り上げも順調に伸びて、3年目には年商も伸びました。2店舗目は、宇城市の小川に土地を探して購入しました。根拠のない自信満々のオープンで大勝負をかけました。3か月持たないで崩れていきました。

試練は重なるものです。宇土店も徐々に売り上げが落ちて来て、父が連帯保証人倒れになったり、茫然となりました。これ以上自分だけの知恵では難しいと感じ、飲食店セミナーに参加してコンサルティングの会社にも入会して勉強しました。東京の本社に行き、会社の現状を話して指導を受けました。「人を育てていない」とかたくさん指摘されて、素直に聴いている私を見ながら家内が隣でボロボロ泣いていました。

後で家内は、「なんで言い返さないの、今まで一生懸命してきたじゃないの」と言うのです。その時、私は家内をなだめながら、「足りない私を頼りにしてくれている」ととても嬉しかったのを覚えています。どうにかもう一度盛り返そうと心に誓って、本を読んだり繁盛店の食べ歩きなどをして接客の向上、商品の見直し、掃除の徹底など指導内容を徹底して守りました。

トンカツ店でも修業させていただいたり、創作オムライスを始めて、スタッフも頑張ってだんだん売り上げも伸びていきました。色々な人と出会い、話を聞かせていただいて、キッチンも見せていただき、研修もさせていただいて、感謝しています。この頃から他県から研修に来られるようになり、考えもしなかったことが起きました。もちろん快く引き受け、少しは人のためになるようになりました。

3店舗目は、漫画喫茶にレストラン機能をつけた店を嘉島にオープンして10年間しましたが、赤字でした。止めて元の店に帰ってみると、価値観が変わっていました。「お客様を喜ばせたい」という考えだったのが、従業員中心になっていました。軌道修正するのがものすごく大変でした。その頃、自分が苦しかったので倫理法人会に入会しました。

倫理の話で心に残っているのは、二宮金次郎(尊徳)さんの「たらいの水の例話」です。従業員によくすればするほど成功していくのです。ほんとうに人のおかげだと思っています。そして、ピンチはチャンスと思います。熊本地震があり、火事があり、コロナがあり、いろいろなことがあっています。ピンチになった時初めて人間は本気になります。ピンチになりぐっと入り込んで極限までいった時、自分の力以上のことができます。人生も商売も相手を喜ばせる事だと思います。ご清聴ありがとうございました。

この講話文は、講話者の承諾をいただいて掲載しています。