馬場口一利・後継者倫理塾運営委員長が講話:「意味づけ力」
3/1/13(水)熊本県 水俣芦北倫理法人会 モーニングセミナー
1月13日、水俣芦北倫理法人会のモーニングセミナーでは、熊本県倫理法人会 馬場口一利・後継者倫理塾運営委員長((有)正文堂代表取締役)が、「意味づけ力」をテーマに講演されました。以下は、講話の要旨です。
私は、昭和32年8月、熊本市内の文房具店の長男として生まれました。大学を卒業した後、東京の文房具店の会社で4年半ほど働いて、熊本へ帰りました。父は、私が31歳の時に社長を譲りました。10年間は右肩上がりでした。しかし、文具のカタログ販売やホームセンター、百円均一で文具が販売されるようになってから、文房具店はなくなる、と思いました。すぐに店を閉めて、建物を建てて、営業を中心にした仕事を始めることにしました。
「ホームページ制作」と「スチール家具等の営業」を二本柱にして、会社を経営していきました。Web制作は、専門学校を卒業した人を4人雇い入れましたが、5年から10年経過して一人前になります。そういう人を育てながらだんだん信頼を得られる会社になってきました。
ところが2年半前に、10年間勤務した女性から「退職したい」と言われ、びっくりしました。その女性は、わが社では、ピッチャーで4番バッターのような“トップ選手”だったのです。頭が痛くなりました。その時の気持ちを、日記に「絶望! 後悔! ……」など超マイナスの言葉を書いていました。給料の面や休日などの改善案を提案しましたが、無駄でした。
ちょうど悩んでいるその頃に、東京へ家族旅行に行くことになりました。妻と子供5人で行きましたが、私は2回、東京のモーニングセミナー会場を探して参加しました。湯島の会場では、75歳の経営者の方が講話をされ、100人以上の方が参加していました。とてもオーラのある方で、60歳で会社をつぶしたが、その後会社を興して、現在年商4000億円の企業になったというお話をされました。それを聞いた私は、自分がいかに小さい人間かということに気づきました。
次の日、築地本願寺で行われたモーニングセミナーでは、参加された方は少なかったものの、講師の方が、会社の人事畑の人でキャリアコンサルタント資格のある方でした。この出会いを通して、キャリアコンサルタントについて調べ、私も資格取得を決意し、熊本に戻る羽田空港でその専門学校の申し込みをしました。すると、気持ちが転換されました。今度は、人を辞めさせないような会社作りをしようと思いました。
受講申し込みしたら教科書が8冊ほど送られてきました。12月から3月までの間、土曜と日曜日講座があり、それから試験日までは、休日も外に出ないで勉強しました。10月からスタートする熊本県倫理法人会の後継者倫理塾の仕事も決まっていたので、「絶対役に立つ」と思い、勉強に集中することができました。7月に受験があり、8月の発表で合格。キャリアコンサルタントの国家資格を取得することができました。
熊本の同じ資格を持つ人と友達になり、仕事を立ち上げることになりました。ホームページでは、採用専門のページを特化して作成したり、採用と定着支援のプログラムを作成し、面談の指導や技術を提供し、新しいビジネスを展開しています。現在、7人のチームができており、キャリアコンサルトの人たちと仕事をすると、今までと違うビジネスになり、ワクワクしています。
一人の社員さんが辞めたことで、がっくりきたけど、全然違う展開が起きています。激変する世の中ですが、偶然起きたことを好機にするスキルを身につけ、自分の力にしていくことを学びました。今から、ビジネスの環境も変わります。いいことも悪いことも受け止めてやれば、次に新しいことができます。
私は、幼少のころから母についていって倫理を学びました。平成12年8月、倫理法人会に入会して20年以上になりますが、「倫理は、単なるいい人になる会ではなく、自分を根底から改善してくれる!」、「倫理って凄いな!」と思えるようになったのは、ここ4、5年です。ご清聴ありがとうございました。
この講話文は、講話者の了解をいただいて掲載しています。