熊本県倫理法人会

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10月16

熊本市南倫理法人会 高見睦代・会長が講話 テーマ「天職」

2/10/7(水)熊本県 水俣芦北倫理法人会 モーニングセミナー

10月7日、水俣芦北倫理法人会のモーニングセミナーは、熊本市南倫理法人会 高見睦代・会長((長迫木材(有)代表取締役)が「天職」をテーマについて講演されました。「夢見る夢子のような」若い乙女だった29歳の時に、父親が突然逝去されました。母親の依願により父親の事業を継承された高見会長は、それまでまったく関わりのなかった木材業の仕事に飛び込み、多くの試練を乗り越えてこられました。約30年後、高見会長が天職として仕事を楽しむまでになられた体験は、ドラマを聴いているようで、講話の時間があっという間に過ぎてしまいました。以下は、講演の要旨です。

私が29歳の時のある日、父が「お腹が痛い」と言うので、すぐに病院に連れて行きました。しばらくして危篤状態となり、急に亡くなりました。大動脈破裂でした。お葬式で、母が「会社は、この娘が継ぎます」とあいさつして、何も知らない私が、父の製材業の仕事を継ぐことになりました。試練の始まりでした。

従業員を解雇し、トラック1台を残してほとんどの機械を売り払ったあと、売掛金回収のために事務所に行って座っていました。仕事もなく暇で、ただ事務所に電気を灯して座っているだけでした。ある日、大工さんが入って来られて、私に「製材する気はあるか」と聞かれたので、「何でもやります!」と答えると、大工の娘さんの家を建てるためのすべての材料を造ることになりました。その時以来、私はのこくずにまみれて、丸太を切って、丸いものを四角にしてきました。周りの人が協力して教えて下さり、協力して下さいました。

どんどんお客様が増えて来て、仕事も楽しくやっていました。そうした中で、悪い噂が耳に入りました。「あそこは、女が、材木を造っているバイ」。それを聞いて、カチンときました。知人に相談すると、「その人はやっかみで言っているかもしれない。建築士の免許を取っている製材所はないから、取ったらいいよ」とアドバイスをして下さいました。そして、「一発で合格したら、ハワイ旅行に連れていく」と言われるわけです。

それから予備校に通い、建築士の勉強を始めました。主人も「一発で通らなかったら止めてほしい」と言いました。昼間は仕事、夜は予備校に行くため、小学校1年生の娘と交換日記を書いて交流しました。そうした努力の結果、一発で合格することができました。試験が終わった日に、娘が入院してしまいました。肺炎でした。私は一生懸命勉強していたため、娘の具合が悪いことも知りませんでした。

8年前、母が突然、「お腹が痛い」と言い出したので、病院に連れて行ったら、受付で突然倒れました。すぐに診察していただきましたが、心臓が止まっていました。父と同じ大動脈破裂でした。

母がなくなり、本気で仕事を止めようかと考えました。しかし、従業員さんの顔が映るのです。その顔を見て、その方たちには家族がいると思って、「止められない。従業員さんのためにもう少し頑張ってみよう」と決意しました。

私みたいな人間でも、一生懸命前向きにやっていると、協力して下さる方が集まって来られるし、いろいろなヒントをいただくことができます。倫理法人会は、運の強い人の集まりだと思います。迷ったときは、倫理の仲間に相談いただくと、絶対悪いことは何もないと思います。私は、入会して長くはありませんが、以前よりももっと前向きになりましたし、色々な勉強をさせていただいています。講話をさせていただくと、自分を振り返り、頭の中が整理されてきます。これからの事業をどうしていこうか、人間に対してどうやっていこうかと考え、チャンスをいただいたと思っています。ご清聴ありがとうございました。